暫定1位の暑さだった!2012年の残暑

Zansho ts ave

前回は2012年の残暑についてデータをみて、気候値(=平年)に比べて暑い状態がだらだらと続いていたことがわかりました。それでは他の年に比べても残暑は厳しかったのでしょうか?

これを知るには、それこそすべてのデータをひっくり返さないといけません。まず最初に前回やったのと同じようにそれぞれの年の残暑の様子を図にしてみます。

Jjas 1976

ある年は、非常に涼しい状態が最初から最後まで続いています。

Jjas 1990

かと思うと、常に暑い状態が続いている年もあります。

Jjas 1997

またある年はこのように暑い時もあれば寒いときもあって振幅している年も。どうすればいいんだ…。

「残暑」の指数を決めてみる

「残暑が厳しい」というのは日本語です。では、データをどのように扱えばこれを数値化できるでしょうか。いろいろな方法がありますが、ここでは8月7日、立秋の日から9月末までの偏差の平均をとってみます。つまり:

Jjas 2002

赤い部分の面積をプラス、青い部分の面積をマイナスとして積分し、日数で割ります。研究者用語でいうと、偏差を平均したことになります。これなら、値が正であればあるほど、9月に平年よりも高い気温がだらだら続いていたことになるわけです。

Zansho ts ave

この簡易な「残暑指数」は一つの年に一つずつありますので、これをグラフにして並べたのがこちら。

なんと! 2012年はこの定義だと過去最高に暑かった残暑ということになります。

同じく酷暑だった2010年の値が1.62度、それまでの1位が2007年の1.85度。2012年はそれを大幅に超えて2.09度の偏差となっています。ただ、まだ今年に関しては9月が終わりになっていませんので、残り数日間でこの「暫定1位」のタイトルは返上となるかもしれません。

地球温暖化のせい?

さて、こうしたグラフをみるとすぐに「地球温暖化が進行している」といいたくなってしまうのですが、拙速にこうした結論にとびつくことはできません。

2012年の1点は温暖化とは関係のない気象現象で説明する方が妥当といえますし、数年の変動はエルニーニョなどでも説明できます。

ただ、40年以上続いているゆるやかな上昇は? これについては気象庁のグラフとも一致した形をしていて温暖化を疑うのが妥当といえるでしょう。

でもそれだって、都市の影響の可能性を否定するために田舎だけでグラフを作ってみたり、異常値がないか丹念に調べてからはじめていえることだったりします。

ひとまずここは、今年の残暑が過去にない厳しさだったことを念頭に、やっと涼しくなってくれたことに感謝するのにとどめたいと思います。

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2012年の残暑が過去最高だったかもしれないというこの結果ですが、9月の末にもう一度計算をしてみます。ネタとしてもこの原因を探るのは面白いですよね。

ただ、私はいまの職場ではこのネタで論文を書くのは厳しいので、この図を使いたいという人、共同研究をしたいという方、ぜひご連絡ください。