暖冬? 厳冬? 2012/2013 年の寒候期予報はどっちつかず

Kankouki

気象庁は毎年9月下旬になると、その年の12月から次の年の2月までの天候を予測する、いわゆる「寒候期予報」を発表します。

今年も気象庁の季節予報のページに概要と、解説資料(PDF)が載っていますのでみてみることにしましょう。

エルニーニョと暖冬

寒候期予報の資料はさまざまに細かい数字が並んでいますが、多分一番気になるのは最初の確率予報の表になるでしょう。

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それぞれ、気温・降水量・降雪量について平年より低い日の割合、平年並みの割合、平年より高い日の割合がパーセント表示になっています。

なぜパーセント表示になっているかというと、それぞれ少しずつ異なる条件で計算した複数のコンピュータモデルの結果をまとめて割合表示をしているからです。12月から2月の予報がたった一つあるわけではないのですね。たった一つでは、結果が不安定すぎるからこうしたことをしています。

これをみると、西日本で平年並みか高めの気温、という数字が目立っています。これは、今年は弱いエルニーニョが発生していて、エルニーニョ年は日本は暖冬傾向が多かったというこれまでの知見を取り込んだ内容になっています。

ただここでちょっと気になることが…。

NOAA/ESRLの最新の画像による、この1週間の海の表面温度の偏差、つまり平年にくらべて海が暖かいかを示す図を見てみますと…。

Sstanom

エルニーニョが弱くてもう見当たりません。日本近海が暖かいのは残暑の影響でもあり、サバが捕れすぎたり、北海道でマンボウが水揚げされたりという影響がでています。

北極振動は?

南の横綱であるエルニーニョが頼りないということになると、出張ってくるのが北の横綱、北極振動です。こちらは日本を寒くするのに一役買っています。

寒候期予報ではこの可能性に対してかなり予防線をはった表現を使っています。

以上の分布は、「北極振動」(北極圏 とそれを取り巻く中緯度帯の間の気圧場の南北振動のことで、北極の寒気が蓄積と放出を交 互に繰り返す変動。その変動が日本の冬の気温にも影響する)に一見似たパターンであるが、 太平洋などの負偏差が低緯度側に寄っているなど実際に現れやすいパターンと異なり、また アンサンブルメンバー間の予想のばらつきが大きいことから、明確な傾向が出ているとはい えない。また、北極振動の予測精度は低い。これらのことから、中緯度帯への寒気の南下は 不確定性が大きい。

難しい言葉がいろいろありますが、ポイントになるのは「実際に現れやすいパターンと異なる」という点と、「予想のばらつきが大きい」という点です。

計算してみたけど、わかりやすい結果にはならなかったということで、本当に北極振動が強くなって日本が寒くなるかは、予測が立たないというわけです。

これは気象庁のコンピュータモデルの性能が低いという意味ではなく、いまから半年先を高い確率で予測できるほど大気と海に安定した情報がないということでもあるのです。

もう少し冬が近づいてきて、1ヶ月予報くらいになれば、あるいはもっと確定的なことがいえるのかもしれません。

ところでこの季節予報のページと解説資料、時間がたつとどんどんと新しい情報によって押し出されてしまいます。つまり、答え合わせをしたいなら保存しておくしかありません。

来年の二月あたりに、この予報が当たっていたかどうか、そしてどうして当たった・外れたという答え合わせをしてみることにしてみましょう。