27歳以下の人は「本当の寒さ」を体験したことがない?

201201 201210
英語圏では Grist というウェブサイトに掲載されたこの記事が話題になっています。

NOAAのこの画像は2012年の1-10月までの気温が「平均」よりも高かったか低かったかを色でしめしており、注釈として「10月の全球気温は20世紀の平均よりも0.63C高く、332ヶ月連続で平均を上回っている月となった」という文言が加わっています。

Gristの記事はこの332ヶ月という部分をとりあげて、このように解説を加えました。

If you were born in or after April 1985, if you are right now 27 years old or younger, you have never lived through a month that was colder than average. That’s beyond astonishing.

もしあなたが1985年の4月以降に生まれていて27歳かそれよりも若いなら、あなたは「20世紀平均よりも寒かった月」を体験したことがないのだ。それは驚きを通り越しているといっていいだろう。

おっとっと! それは言いすぎです!

「全球平均」と「ある地点」の違い

たとえば、ちょっと計算方法が違いますが、2012年10月だけでみた場合、過去30年にくらべてどれくらい暖かかったかを見てみましょう。

Oct2012anom

結果はこのようになっています。たしかに北国のあたりや、南極のあたりに「平均よりも温かい場所」がありますが、北米ロッキー山脈のあたりや、南極半島のあたりが「平年よりも寒く」なっています。

NOAAの注釈が「332ヶ月連続で温かい」といっているのは、あくまで地球全体を平均してみたところ、地球全体の温度が暖かくなる傾向が続いているということをいっているのであって、ある場所が常に温かいというわけではないのですね。実際、日本では去年の厳冬も平均以下の気温であったことが記憶にあたらしいと思います。

データを日々見ている人にとって温暖化の傾向は疑いようがないほど明らかなのですが、そこまで誇張して表現するのは真実からかえって遠ざかることになるので注意が必要です。

また同様に、ある月、あるいはある季節が寒かったからとって「温暖化が起こっていない!」と断定することも、地球全体をみていない議論なのです。