暑かったけど実は平年なみ?2015年の夏をデータからみてみる

毎年夏が過ぎると、周囲のひとに今年の夏は暑かった?そうでもなかった?と聞いていますが、今年2015年については多くの人が「暑かった」とこたえているようです。

しかし、気候学ではよく6-8月の平均を夏季の代表値として使うのですが、この平均期間で計算すると今年の夏は平年だったと聞いたら意外でしょうか?実際のデータからみてみましょう。

暑さと涼しさのコントラスト

気象庁から日本全国の気象台などのデータをとりよせ、沖縄などの南西諸島のデータを除いた58箇所で平均を作成してみますと、以下のような図になります。もちろん北海道から九州まで入っていますので、実際に経験した気温とは違うと思いますが日本全体の傾向を見るにはこうした平均を取ります。

summer2015

使ったのは日平均気温。グラフは平年に対して暑い部分を赤、涼しい部分を青に描いています。こうしてみると、早めにやってきた暑さと、その後続いた梅雨とのコントラストが大きな初夏でした。長雨によって平年に比べて2度ほども低い気温がやってきたかと思うと、一気に+3.4度の猛暑がやってきます。

その後2週間ほどは、平年よりも2-3度ほど高い気温が続いて、これが今年感じた猛烈な暑さだったわけです。たったの2度?と思うかもしれませんが、これは日平均気温ですので、日最高気温などでみるならもっと強烈な数値になっているはずです。

ところが8月の中頃から様子は一転します。暑さが急に弱まり、後半にかけては平年を2度も下回る涼しい夏がやってきてしまったのです。人間の感覚では8月の終わりが涼しかったような気がしたと思いますが、それもそのはず、だいたい10月頃の気温になっていたのですね。

というわけで6-8月で平年からの偏差を平均すると+0.21度、8月だけで平均を取ると-0.17度という、暑くも涼しくもない、平年並という結果になってしまいました。

それでも「暑い」と感じる夏はたしかにあったわけで、これは現象を3ヶ月平均という長いスケールで平均するのが妥当かどうかという議論を立てることができます。6-8月のゆっくりとした気候の場を対象として研究をしたいならそれは妥当ですし、私たちが感じた「暑さ」を対象としたいなら、7月末から8月上旬にスポットをあてないといけないということになります。

もともと季節予報では「冷夏」になるのではないか?といわれていた今年の夏。どうして予報が外れたのか、なにがこの暑さの背景にあったのかは今後研究が進められるはずです。

(“Finally some Sun” image by Kyle durigan)

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